68. HbA1c 測定時に短期間で発見された異常ヘモグロビン6例

〔目的〕HbA1cは過去1, 2か月の平均血糖を反映することから, 特定健診・糖尿病の診断や血糖のコントロールマーカーとして広く認知・有用されている. 我々は半年間という短い期間で異常ヘモグロビン(Hb)の存在によりHbA1c測定に異常をきたし, 過去の血糖を反映しない値を示した症例を6例経験したので報告した. 〔方法・結果〕異常Hbは, HPLC法(東ソーG8)を用いたHbA1c測定時に異常分画を示す検体として見出され, 血糖値やラテックス免疫法との乖離が認められた. 解析の結果, 精密HPLC法での健常対照では見られない異常ピークとして証明された. アフィニティー法では明らかな異常を認めな...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 59; no. 5; pp. 633 - 634
Main Authors 加藤亮介, 高橋俊介, 半田憲誉, 小林香保里, 池田昌伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2011
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Summary:〔目的〕HbA1cは過去1, 2か月の平均血糖を反映することから, 特定健診・糖尿病の診断や血糖のコントロールマーカーとして広く認知・有用されている. 我々は半年間という短い期間で異常ヘモグロビン(Hb)の存在によりHbA1c測定に異常をきたし, 過去の血糖を反映しない値を示した症例を6例経験したので報告した. 〔方法・結果〕異常Hbは, HPLC法(東ソーG8)を用いたHbA1c測定時に異常分画を示す検体として見出され, 血糖値やラテックス免疫法との乖離が認められた. 解析の結果, 精密HPLC法での健常対照では見られない異常ピークとして証明された. アフィニティー法では明らかな異常を認めなかった. 最大でHbA1c2.5%の乖離が見られ, 発見の重要性を感じた. 〔考察〕今回発見された異常へモグロビンの多くが, タイ国籍またはタイ出身の血縁者を持つ患者に認められた. 地域特異性が見られたことは興味深い.
ISSN:0468-2513