28. 救急・総合診療科受診時に胸痛を訴え確定診断に至らなかった患者の分析

〔目的〕ERで胸痛関連症状を呈した患者の基礎疾患を知り, 診断に至る経過の問題点を探索すること. 〔方法〕当院ERで研修医が診療した2008年8月から2009年3月までの連続983例のうち胸痛関連症状を呈した75例について, 外来診療録から後ろ向きに以下の項目で調査した. 年齢, 性別, 疾患分野, 開業医からの紹介の有無, 随伴症状, 発症経過, 症状持続時間, 来院時の症状の有無, 来院方法, 検査内容. 〔結果〕胸痛患者75例中, 初回診断可能は39例, 再診後に診断確定が18例, 再診なし7例, 未確定11例であった. 確定した基礎疾患は循環器疾患33例（急性冠症候群22例など）, 消...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 58; no. 5; p. 580
Main Authors 濱知明, 大和眞史, 赤澤聖子, 片山直紀, 佐藤広太, 星野哲也, 宮岡俊輔, 廣瀬聡, 田村泰夫, 小口寿夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2010
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Summary:〔目的〕ERで胸痛関連症状を呈した患者の基礎疾患を知り, 診断に至る経過の問題点を探索すること. 〔方法〕当院ERで研修医が診療した2008年8月から2009年3月までの連続983例のうち胸痛関連症状を呈した75例について, 外来診療録から後ろ向きに以下の項目で調査した. 年齢, 性別, 疾患分野, 開業医からの紹介の有無, 随伴症状, 発症経過, 症状持続時間, 来院時の症状の有無, 来院方法, 検査内容. 〔結果〕胸痛患者75例中, 初回診断可能は39例, 再診後に診断確定が18例, 再診なし7例, 未確定11例であった. 確定した基礎疾患は循環器疾患33例（急性冠症候群22例など）, 消化器疾患11例, 呼吸器疾患4例, その他9例であった. ERで初回診断可能な要因として, 重症な循環器疾患, 発症後1日以内の受診, 救急搬送, 検査数が有意であった. 器質的疾患が診断されない例に対しては心身医学的アプローチも必要と考えられた.
ISSN:0468-2513