4.山梨県の乳がん検診実施状況

平成14年から16年の3年分の県内9施設で行なわれた乳癌検診実施状況をまとめ, 巡回検診と人間ドックに分けて検討した. 多くの施設では, 視触診や超音波を検診に導入しており, マンモグラフィを導入している施設もあった. 巡回検診, 人間ドックとも要精検率は5%前後であった. 精検受診率は50~80%と施設間での差が大きかった. 乳がん発見率は全体では0.2%弱であった. 検診方法別でみた癌発見率は, 巡回検診では視触診に超音波かマンモグラフィを併用する方法が0.2%と最も高く, 視触診, 超音波, マンモグラフィの各々単独の検診より高く, 視触診も付加効果があると考えられた. また人間ドックで...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 55; no. 2; p. 117
Main Author 井上慎吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2006
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Summary:平成14年から16年の3年分の県内9施設で行なわれた乳癌検診実施状況をまとめ, 巡回検診と人間ドックに分けて検討した. 多くの施設では, 視触診や超音波を検診に導入しており, マンモグラフィを導入している施設もあった. 巡回検診, 人間ドックとも要精検率は5%前後であった. 精検受診率は50~80%と施設間での差が大きかった. 乳がん発見率は全体では0.2%弱であった. 検診方法別でみた癌発見率は, 巡回検診では視触診に超音波かマンモグラフィを併用する方法が0.2%と最も高く, 視触診, 超音波, マンモグラフィの各々単独の検診より高く, 視触診も付加効果があると考えられた. また人間ドックでは視触診に超音波, マンモグラフィの3者を併用する方法の発見率が0.23%と最も高く, 視触診と超音波, または視触診とマンモグラフィの発見率より高く, 超音波とマンモグラフィは補完的に機能する可能性が示唆された. 山梨県の乳癌検診では, 視触診以外に超音波, マンモグラフィなどの検診機器を積極的に導入しており, 3者併用が最も発見率が高かった.
ISSN:0468-2513