13. 夜間不穏のある認知症患者の安眠をめざして -就寝前の音楽療法による催眠効果

高齢者の入院の場合, 今までの生活環境とは著しく違い, 夜間不穏等のため安定した睡眠が得られなかった. 日中の車椅子乗車や日光浴, レクリエーションの参加等, 夜間の睡眠を促すような援助は効果が立証されているものの, 安静が必要な入院患者には行なうのが困難であった. そこで認知症や神経性の治療に有効であることが実証されている音楽療法に着目した. 65歳以上で夜間の睡眠に対し, 何らかの問題行動のある8名に就寝前のリラックス効果がある音楽を聞かせることで, 催眠効果と睡眠時間の継続が得られるという仮説をたて実施した. 8名中5名が催眠効果を得ることができ, 睡眠時間の継続につながった. 効果の少...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 55; no. 1; pp. 44 - 45
Main Authors 田村京子, 小林久恵, 清水意美子, 永島公子, 岡田キヨ子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2006
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Summary:高齢者の入院の場合, 今までの生活環境とは著しく違い, 夜間不穏等のため安定した睡眠が得られなかった. 日中の車椅子乗車や日光浴, レクリエーションの参加等, 夜間の睡眠を促すような援助は効果が立証されているものの, 安静が必要な入院患者には行なうのが困難であった. そこで認知症や神経性の治療に有効であることが実証されている音楽療法に着目した. 65歳以上で夜間の睡眠に対し, 何らかの問題行動のある8名に就寝前のリラックス効果がある音楽を聞かせることで, 催眠効果と睡眠時間の継続が得られるという仮説をたて実施した. 8名中5名が催眠効果を得ることができ, 睡眠時間の継続につながった. 効果の少なかった3名は月単位の入院の中で徐々に問題行動が減少した. 今回就寝前の音楽療法ということでクラシックを選択したが, 今後も睡眠環境の1つとして継続使用していくこととした.
ISSN:0468-2513