54. 喫食者の立場にたった食事-低喫食者への栄養科のかかわりから

当院では, 食事の下膳時に栄養科で喫食量調査を行なうことにより, 低喫食者を把握して, 病棟訪問を行ない, 喫食率を上げるための取り組みを行なってきた. 平成16年6月1日から平成17年3月31日までの低喫食者の延べ人数は, 282人(男88人, 女194人)であった. 対応別では, 患者訪問74人(26.3%), 病棟でのカンファレンス112人(39.7%), 調査表等で経過観察96人(34.0%)であった. 訪問した患者74人のうち栄養科で個別対応した患者は50人(67.6%)であった. 個別対応の内容としては, 飲み物, 酢の物, デザートなどの追加が多く, 次いで主食の種類の変更や好き...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 54; no. 5; pp. 795 - 796
Main Authors 赤塩真奈美, 小林悠子, 茂木好子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2006
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Summary:当院では, 食事の下膳時に栄養科で喫食量調査を行なうことにより, 低喫食者を把握して, 病棟訪問を行ない, 喫食率を上げるための取り組みを行なってきた. 平成16年6月1日から平成17年3月31日までの低喫食者の延べ人数は, 282人(男88人, 女194人)であった. 対応別では, 患者訪問74人(26.3%), 病棟でのカンファレンス112人(39.7%), 調査表等で経過観察96人(34.0%)であった. 訪問した患者74人のうち栄養科で個別対応した患者は50人(67.6%)であった. 個別対応の内容としては, 飲み物, 酢の物, デザートなどの追加が多く, 次いで主食の種類の変更や好き嫌いなどの嗜好への対応であった. 一方, 訪問した患者を主病名別にみると, 「ガン」が34人で最も多く, 終末期ステージのため特別献立にした者もあった. 訪問後は, 希望を聞き入れてもらった満足感とともに, 喫食量が上がるなど効果がみられるため, 今後もこの取り組みを継続していきたい.
ISSN:0468-2513