住民参加のネットワークづくり

(1)住民参加がすすまないわが国の現状 地域における保健・医療・福祉のネットワークづくりの必要性の第一は, サービスの受け手である患者や住民あるいは事業の対象者の健康と生活をより十分に(人間らしい生存を)保障するためであり, 第二は, 連携によって事業や活動をより効果的にすすめ効率的にすることであろう.(前田信雄) ネットワークづくりは地域包括ケアの実現を目指すものであり, 連絡・連携・統合の三段階に分けられるが, 現状はいずれも保健・医療・福祉の専門家・専門機関, つまりサービス提供者側の意図に基づくシステム化が進行しているのがおおかたの実態であるといえよう. 地域包括ケアを形成させるうえで...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 54; no. 3; pp. 247 - 248
Main Author 依田発夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2005
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Summary:(1)住民参加がすすまないわが国の現状 地域における保健・医療・福祉のネットワークづくりの必要性の第一は, サービスの受け手である患者や住民あるいは事業の対象者の健康と生活をより十分に(人間らしい生存を)保障するためであり, 第二は, 連携によって事業や活動をより効果的にすすめ効率的にすることであろう.(前田信雄) ネットワークづくりは地域包括ケアの実現を目指すものであり, 連絡・連携・統合の三段階に分けられるが, 現状はいずれも保健・医療・福祉の専門家・専門機関, つまりサービス提供者側の意図に基づくシステム化が進行しているのがおおかたの実態であるといえよう. 地域包括ケアを形成させるうえで, 保健・医療・福祉の連携・統合が実現することは勿論であるが, サービスの受け手である主体者としての患者・利用者・住民の参加‐住民参加があることが重要な構成要素となっている. しかしわが国の実態は, 地域包括ケアへの導入となる在宅ケアの推進を国の財政事情を背景とする老人入院医療費の抑制に主眼をおいたことから, 医療機関等がこの枠(診療報酬による政策誘導)の中での対応にとどまっているきらいがある.
ISSN:0468-2513