11. 虚血によると考えられた小腸狭窄病変の1切除例

高齢者に発症した, 小腸狭窄病変の1切除例を文献考察を加え報告する. 症例は78歳女性. 平成13年4月より脳梗塞てんかん発作後のリハビリ目的で他院入院中, 平成14年2月より腰痛, 下血, 発熱が出現し2月7日当院内科初診, 精査目的で入院となった. 入院後腸閉塞症状を呈したため絶食にて管理とした. 腹部CT, 小腸造影で回腸末端部付近の狭窄, 小腸壁の肥厚を認め, 虚血性小腸狭窄を疑い, 3月28日手術目的で当科転科となった. 4月3日開腹手術施行した. 回腸末端より50cmから長さ40cmの範囲で小腸壁の肥厚・狭窄, 奨膜面の発赤, 腸管膜リンパ節の腫脹を認めた. 病変部位から5cm離し...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 51; no. 5; p. 791
Main Authors 相木総良, 蔵貫勝志, 池田由加利, 伊藤毅, 内田多久實, 後藤田裕子, 村岡俊二, 佐藤利宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2003
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:高齢者に発症した, 小腸狭窄病変の1切除例を文献考察を加え報告する. 症例は78歳女性. 平成13年4月より脳梗塞てんかん発作後のリハビリ目的で他院入院中, 平成14年2月より腰痛, 下血, 発熱が出現し2月7日当院内科初診, 精査目的で入院となった. 入院後腸閉塞症状を呈したため絶食にて管理とした. 腹部CT, 小腸造影で回腸末端部付近の狭窄, 小腸壁の肥厚を認め, 虚血性小腸狭窄を疑い, 3月28日手術目的で当科転科となった. 4月3日開腹手術施行した. 回腸末端より50cmから長さ40cmの範囲で小腸壁の肥厚・狭窄, 奨膜面の発赤, 腸管膜リンパ節の腫脹を認めた. 病変部位から5cm離し約50cmの小腸切除を施行した. 摘出標本の肉眼所見では, 連続した浅い潰瘍と広範なびらん, 狭窄病変を認めた. 病理組織学的検索では炎症細胞浸潤を認め, ヘモジデリンを貪食したマクロファージは認めないものの, 虚血性小腸病変の診断であった. また非乾酪性類上皮肉芽腫性病変は認めなかった.
ISSN:0468-2513