72. 特異IgE抗体測定におけるルミワードシステムとユニキャップ100システムとの乖離例について

アレルギー疾患の診断及び治療において, 原因アレルゲンの同定は重要であり, 最も汎用されている検査は血中特異IgE抗体の測定である. しかし, 測定機種間でしばしば不一致例が報告されている. 今回, 当院で実施している16項目のアレルゲンについて, ルミワードシステム(以下LW)とユニキャップ100システム(以下CAP)の相関性, またクラス1以上を陽性とした場合の判定一致率を比較検討した. 結果はほぼ良好な相関(r0.90)判定一致率(87.9%)が得られた. 全体的にCAPが陽性に出る傾向が見られ, 特にクラス2以上では, 「LW陽性CAP陰性」が1例に対し, 「LW陰性CAP陽性」では1...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 51; no. 4; p. 676
Main Authors 柳澤和也, 池田昌伸, 羽毛田牧夫, 清水俊男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2002
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Summary:アレルギー疾患の診断及び治療において, 原因アレルゲンの同定は重要であり, 最も汎用されている検査は血中特異IgE抗体の測定である. しかし, 測定機種間でしばしば不一致例が報告されている. 今回, 当院で実施している16項目のアレルゲンについて, ルミワードシステム(以下LW)とユニキャップ100システム(以下CAP)の相関性, またクラス1以上を陽性とした場合の判定一致率を比較検討した. 結果はほぼ良好な相関(r0.90)判定一致率(87.9%)が得られた. 全体的にCAPが陽性に出る傾向が見られ, 特にクラス2以上では, 「LW陽性CAP陰性」が1例に対し, 「LW陰性CAP陽性」では11例の乖離が存在した. 後者のなかで5例に抑制試験を実施した結果, 全てに非特異でない特異IgE抗体の存在を確認出来た. 今回の検討からは, LWよりCAPの方がより特異IgE抗体の検出に優れており, アレルギー検査システムとしての有用性が示唆された.
ISSN:0468-2513