38. 破裂性胸部大動脈瘤の外科治療

破裂性の胸部大動脈瘤の治療成績は必ずしも満足できる状態ではない. 自験例を基に治療上の問題点と対策について検討した. 〔対象と成績〕破裂性胸部大動脈瘤19例, 内訳は真性瘤では弓部13例, 下行2例, 胸腹部1例, 外傷性仮性瘤3例はすべて下行の内膜断裂であった. 19例中12例に緊急手術を行った. 術式は弓部瘤には脳分離体外循環下に弓部置換術, 下行, 胸腹部には部分体外循環下に置換術を施行した. 在院死は5例(41.7%)であった. 手術非適応, 手術拒否などによる非手術例は7例で, すべて弓部瘤であった. 7例中6例は再破裂により死亡(85.7%)し, 1例のみ1年間生存中である. 〔結...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 51; no. 2; p. 149
Main Authors 長岡秀郎, 広岡一信, 大貫雅裕, 牧田哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2002
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Summary:破裂性の胸部大動脈瘤の治療成績は必ずしも満足できる状態ではない. 自験例を基に治療上の問題点と対策について検討した. 〔対象と成績〕破裂性胸部大動脈瘤19例, 内訳は真性瘤では弓部13例, 下行2例, 胸腹部1例, 外傷性仮性瘤3例はすべて下行の内膜断裂であった. 19例中12例に緊急手術を行った. 術式は弓部瘤には脳分離体外循環下に弓部置換術, 下行, 胸腹部には部分体外循環下に置換術を施行した. 在院死は5例(41.7%)であった. 手術非適応, 手術拒否などによる非手術例は7例で, すべて弓部瘤であった. 7例中6例は再破裂により死亡(85.7%)し, 1例のみ1年間生存中である. 〔結語〕1)破裂性胸部大動脈瘤の救命には緊急手術が必須であるが, 手技, 腎脳庇護の改善が必要である. 2)瘤の破裂前診断と待機手術がベストである.
ISSN:0468-2513