52. LDLコレステロール値の直接法と計算式法の相異要因について

動脈硬化の危険因子として注目されているLDLコレステロール測定において, 近年開発された直接法と, 従来より使用されているFriedewaldの計算式(以下F式)は良好な相関性を示すが, しばしば不一致例も認める. 一般的には400mg/dlを越える高中性脂肪例に認められ, F式が低値を示す. 今回これとは反対に, F式が高値に乖離した症例について, (1)電気泳動後のコレステロールと中性脂肪の同時染色によるリポ蛋白中の組成解析, (2)アポ蛋白Eの定量, フェノタイプの測定を行った. 結果, 直接法に比べF式高値例のリポ蛋白電気泳動像は, VIDL分画中のコレステロールの割合が高く, 不一致...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 50; no. 4; p. 651
Main Authors 柳澤和也, 小林香保里, 池田昌伸, 大橋正明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2001
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:動脈硬化の危険因子として注目されているLDLコレステロール測定において, 近年開発された直接法と, 従来より使用されているFriedewaldの計算式(以下F式)は良好な相関性を示すが, しばしば不一致例も認める. 一般的には400mg/dlを越える高中性脂肪例に認められ, F式が低値を示す. 今回これとは反対に, F式が高値に乖離した症例について, (1)電気泳動後のコレステロールと中性脂肪の同時染色によるリポ蛋白中の組成解析, (2)アポ蛋白Eの定量, フェノタイプの測定を行った. 結果, 直接法に比べF式高値例のリポ蛋白電気泳動像は, VIDL分画中のコレステロールの割合が高く, 不一致の原因はIDLの増加によるものと考えられた. その中で, F式が異常高値に乖離した4症例全ての, アポ蛋白E値は10mg/dl以上, フェノタイプはE2/E2であり, いず れもIII型高脂血症であった.
ISSN:0468-2513