13. 人間ドック受診者で早期に発見できなかった悪性腫瘍

平成8年から平成12年の5年間に人間ドックを2回以上受診した利用者7,336名について早期発見できなかった悪性腫瘍の症例を検討した. 悪性腫瘍の発生率:23(全悪性腫瘍例)/7,336(全受診者)0.30%, その分類は胃癌10, 肺癌5, 膵臓癌2, 乳癌2, 大腸癌2, 子宮癌1, 肝癌1であった. このうち, ドックで発見された進行癌(6例):肺癌3, 胃癌1, 大腸癌2, ドックで発見されず他医での発見例(3 例):膵臓癌2, 乳癌1であり, 全癌症例中これらの症例の占める割合:9/23例(39.1%)であった. 〔結論〕(1)乳癌などでは, 受診者が癌を自己発見できるような啓発教育が...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 50; no. 4; p. 638
Main Authors 小林俊夫, 黒岩靖, 太田正, 伊沢妙子, 栗林紀美子, 永井宏隆, 永井統二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2001
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Summary:平成8年から平成12年の5年間に人間ドックを2回以上受診した利用者7,336名について早期発見できなかった悪性腫瘍の症例を検討した. 悪性腫瘍の発生率:23(全悪性腫瘍例)/7,336(全受診者)0.30%, その分類は胃癌10, 肺癌5, 膵臓癌2, 乳癌2, 大腸癌2, 子宮癌1, 肝癌1であった. このうち, ドックで発見された進行癌(6例):肺癌3, 胃癌1, 大腸癌2, ドックで発見されず他医での発見例(3 例):膵臓癌2, 乳癌1であり, 全癌症例中これらの症例の占める割合:9/23例(39.1%)であった. 〔結論〕(1)乳癌などでは, 受診者が癌を自己発見できるような啓発教育が人間ドックで重要である. (2)今後, 増加する大腸癌や膵臓癌に対して, ドックで利用できる簡便で安価な診断方法の開発が要望される. (3)人間ドックにおける癌検診の限界を知り, 受診者へ説明することも必要である.
ISSN:0468-2513