早期胃癌に対するHALS(hand assisted laparoscopic surgery)下胃全摘術の1例

患者は63歳女性で胃噴門部直下から3.5×5cmの拡がりをもつIIc+IIa 様早期胃癌が認められた. EMR(内視鏡下粘膜切除術)では治療困難と判断されたので, インフォームドコンセントのもと鏡視下手術が採択され, HALS hand assisted laparoscopic surgery下胃全摘術兼リンパ節郭清術(Roux-en-Y再建)を行った. 皮切は右下腹部に7cmの横切開(ハンドポート用)のほか, 1.2cmの皮切を4か所に加えた. ハンドポートから挿入された術者の左手の有効な誘導により, ハーモニックスカルペル(超音波切離装置)や各種ステイプラーを駆使して胃周囲の切離, 剥離...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 50; no. 1; pp. 54 - 60
Main Authors 川村功, 山崎一馬, 児玉多曜, 森川丘道, 金子健太郎, 飛田浩司, 堀部大輔, 長谷川正和, 赤池康
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2001
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Summary:患者は63歳女性で胃噴門部直下から3.5×5cmの拡がりをもつIIc+IIa 様早期胃癌が認められた. EMR(内視鏡下粘膜切除術)では治療困難と判断されたので, インフォームドコンセントのもと鏡視下手術が採択され, HALS hand assisted laparoscopic surgery下胃全摘術兼リンパ節郭清術(Roux-en-Y再建)を行った. 皮切は右下腹部に7cmの横切開(ハンドポート用)のほか, 1.2cmの皮切を4か所に加えた. ハンドポートから挿入された術者の左手の有効な誘導により, ハーモニックスカルペル(超音波切離装置)や各種ステイプラーを駆使して胃周囲の切離, 剥離およびリンパ節郭清(D1)は安全に行うことができた. 食道胃切離, 胃十二指腸切離はともに自動縫合器Endo GIAを使用し, 後者には手縫いにて埋没縫合を行った. 全摘された胃は7cmの切開創から取り出した. 再建にはRoux-en-Y脚作製をハンドポート切開創から手縫いで行ったあと, 自動吻合器EAA(21cm)にて, 食道空腸吻合を行った. EEAアンビルは経鼻胃管を経口的に挿入して食道断端に誘導し, 装着した.
ISSN:0468-2513