21世紀に生き残れる地域中核病院を目指して

「1. はじめに」本シンポジウムの背景には, 厚生省による第4次医療法等の一部改正や, 医療提供体制の改革など医療情勢の変化がある. こうした流れに対応し, 21世紀にはいかなる病院が生き残れるのか, いかに生き残るのか大きな課題になってきた. システム改革の時代とはいえ, 国民や住民の期待に応えられるものかどうか, 戦後の医療制度の変遷をふまえながら検証し, 地域医療の発展に寄与できる対応策を見いださねばならない. 改革の方向は, 患者中心の医療要請に応え, 入院医療体制の整備, 医療の質の向上をめざす競争的な医療制度への変革, 規制緩和, 情報開示の一層の推進, 効率化を視野に入れた市場原...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 49; no. 6; pp. 840 - 845
Main Author 日本農村医学会
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2001
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Summary:「1. はじめに」本シンポジウムの背景には, 厚生省による第4次医療法等の一部改正や, 医療提供体制の改革など医療情勢の変化がある. こうした流れに対応し, 21世紀にはいかなる病院が生き残れるのか, いかに生き残るのか大きな課題になってきた. システム改革の時代とはいえ, 国民や住民の期待に応えられるものかどうか, 戦後の医療制度の変遷をふまえながら検証し, 地域医療の発展に寄与できる対応策を見いださねばならない. 改革の方向は, 患者中心の医療要請に応え, 入院医療体制の整備, 医療の質の向上をめざす競争的な医療制度への変革, 規制緩和, 情報開示の一層の推進, 効率化を視野に入れた市場原理要素の導入促進, 医師の卒後臨床研修必修化など医療提供者の資質向上が図られるような内容になっている. 医療費抑制策がきびしさを増すなかで, 農村地域の地域中核病院として大きな役割を果たしてきている厚生連病院は, その39.5%が赤字に悩んでいる. 進むべき道はきびしいと言わざるをえない.
ISSN:0468-2513