42. 少量バリウムによる胃造影ローリング法の検討

近年, 胃集団検診の精度向上を目的とし, 附着性に優れた高濃度低粘性バリウムを用いての二重造影法を主体とした検診の有効性が数多く報告されている. しかし, ランニングコストの観点からは全体量を少なくすることになり, バリウムの附着不良対策として撮影法の見直しやローリングの工夫が要求されている. 当院健診センターでは, 胃バリウム直接撮影法に中濃度バリウム(160W/V%, 全量180ml:二重造影時約150ml)を使用し, 1撮影1ローリングを基本として行っている. 今回我々は, バリウム少量化への対策として, 同じ中濃度バリウム(全量:150ml:二重造影時約120ml)を使用し, 軽度頭低...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 49; no. 5; p. 786
Main Authors 阿部仁, 永井信, 近藤規央, 櫻庭光夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2001
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Summary:近年, 胃集団検診の精度向上を目的とし, 附着性に優れた高濃度低粘性バリウムを用いての二重造影法を主体とした検診の有効性が数多く報告されている. しかし, ランニングコストの観点からは全体量を少なくすることになり, バリウムの附着不良対策として撮影法の見直しやローリングの工夫が要求されている. 当院健診センターでは, 胃バリウム直接撮影法に中濃度バリウム(160W/V%, 全量180ml:二重造影時約150ml)を使用し, 1撮影1ローリングを基本として行っている. 今回我々は, バリウム少量化への対策として, 同じ中濃度バリウム(全量:150ml:二重造影時約120ml)を使用し, 軽度頭低位, 右廻りローリングによる撮影法を行い, 附着性, U領域前壁の附着不良, 粘膜示現等について従来法で行われた1年前の同一受診者との比較検討を行った. その結果, 以前よりバリウムの附着不良による胃癌の見逃しが多いとされている特にU 領域前壁及び小弯の附着性が改善され, 少量バリウムのローリング法として有用であることが示唆された.
ISSN:0468-2513