5.腸間膜悪性リンパ腫疑いで開腹術施行した放線菌症の1例
今回術前に腸間膜原発の悪性リンパ腫を疑い, 術後の病理診断にて放線菌症と診断された1症例を経験したので報告する. 〔症例〕73歳男性. 主訴は腹部腫瘤. 入院時腹部に腫瘤を触知する以外は異常所見なし. 一般検査所見ではCRP19.6と炎症所見を認め, 腹部CT, MRI検査, 注腸造影検査, Gaシンチグラフ施行され, 腸間膜原発の悪性リンパ腫を疑い開腹手術を施行. 腫瘤は腸間膜を中心に横行結腸, 空腸を巻き込み一塊となっていた. 横行結腸及び空腸の部分切除を行い, 腫瘍を腸間膜から剥離摘出した. 術後の病理診断で放線菌症と診断された. 〔結語〕本症を術前に診断することは困難であるとされている...
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Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 49; no. 2; p. 147 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本農村医学会
2000
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ISSN | 0468-2513 |
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Summary: | 今回術前に腸間膜原発の悪性リンパ腫を疑い, 術後の病理診断にて放線菌症と診断された1症例を経験したので報告する. 〔症例〕73歳男性. 主訴は腹部腫瘤. 入院時腹部に腫瘤を触知する以外は異常所見なし. 一般検査所見ではCRP19.6と炎症所見を認め, 腹部CT, MRI検査, 注腸造影検査, Gaシンチグラフ施行され, 腸間膜原発の悪性リンパ腫を疑い開腹手術を施行. 腫瘤は腸間膜を中心に横行結腸, 空腸を巻き込み一塊となっていた. 横行結腸及び空腸の部分切除を行い, 腫瘍を腸間膜から剥離摘出した. 術後の病理診断で放線菌症と診断された. 〔結語〕本症を術前に診断することは困難であるとされているが, 炎症を伴う腹部腫瘤の鑑別に際しては常に念頭におくべき疾患であると考えられた. |
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ISSN: | 0468-2513 |