B-11. C型慢性肝炎に対するIFN-β1日2回投与後IFN-α併用療法の治療効果

「目的」C型慢性肝炎に対するこれまでのインターフェロン療法の治療効果は, 全体として著効率が30~40%程度である. さらに, ウイルス量1Meq/ml以上で, genotype Ibの治療効果は, 著効率が, 10%未満と非常に悪いのが現状である. 近年, 奥新らは, βインターフェロンの1日2回投与法が, 従来よりも強力な抗ウイルス効果を示すことを報告した. そこで今回我々は, このIFN-β1日2回投与法施行後に従来のIFN-α療法を併用する治療法を行い, 治療効果について検討したので報告する. 〔成績〕33例中31例は, IFN-β等与終了時に, HCV-RNA が陰性化した. また,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 48; no. 6; p. 900
Main Authors 細田和彦, 春山航一, 三沢綾子, 田野倉正臣, 大沢一仁, 井口孝伯, 飯田龍一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2000
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「目的」C型慢性肝炎に対するこれまでのインターフェロン療法の治療効果は, 全体として著効率が30~40%程度である. さらに, ウイルス量1Meq/ml以上で, genotype Ibの治療効果は, 著効率が, 10%未満と非常に悪いのが現状である. 近年, 奥新らは, βインターフェロンの1日2回投与法が, 従来よりも強力な抗ウイルス効果を示すことを報告した. そこで今回我々は, このIFN-β1日2回投与法施行後に従来のIFN-α療法を併用する治療法を行い, 治療効果について検討したので報告する. 〔成績〕33例中31例は, IFN-β等与終了時に, HCV-RNA が陰性化した. また, 全治療終了時のHCV-RNAの陰性化率は, 33例中32例であった. しかし, IFN投与終了後6か月の時点での陰性化率は, 34例中18例であった. genotype別では, Ibで, 19例中7例が, 22a/2bでは, 14例中11例が著効例であった. また, ウイルス量別では, 1Meq/ml未満の21例中17例に著効であったが, 1Meq/ml以上の12例中では1例しか著効に到らなかった. genotypeIbで1Meq/ml以上の9例のうち, 著効例は1例もなかった.
ISSN:0468-2513