19. 女性の橈骨骨密度の年間減少率について

我々は, 経年受診者の骨密度値が「要指導」「要精検」となってしまう前に, 初回受診時の値とその後受診した値に対する1年間あたりの減少率を求め, 適切な指導を早期に行うための評価基準の設定を目的として若干の検討を行ったので報告する. 骨粗鬆症検診による検査結果の3区分で, 初回の区分から次回の区分が「異常なし」から「要指導」または「要指導」から「要精検」となった受診者の年間減少率の平均は, -4.8%であった. 1年間あたりの減少率が-5%を超える受診者は骨密度値が「異常なし」であっても1年, 2年後と期間が経つに従って「要指導」へ移行する確率が高く, 早期の指導が必要と思われた. 評価基準は,...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 48; no. 5; p. 762
Main Authors 上田譲司, 島崎洋, 櫻庭光夫, 豊田成司, 須賀俊博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2000
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Summary:我々は, 経年受診者の骨密度値が「要指導」「要精検」となってしまう前に, 初回受診時の値とその後受診した値に対する1年間あたりの減少率を求め, 適切な指導を早期に行うための評価基準の設定を目的として若干の検討を行ったので報告する. 骨粗鬆症検診による検査結果の3区分で, 初回の区分から次回の区分が「異常なし」から「要指導」または「要指導」から「要精検」となった受診者の年間減少率の平均は, -4.8%であった. 1年間あたりの減少率が-5%を超える受診者は骨密度値が「異常なし」であっても1年, 2年後と期間が経つに従って「要指導」へ移行する確率が高く, 早期の指導が必要と思われた. 評価基準は, 骨密度値が「異常なし」であっても, 年間減少率が-5%以上を評価指導ファクターとして採用し, 経過観察したい.
ISSN:0468-2513