65. 当院における備品車椅子の問題とその対応について

施設の備品車椅子は長期間の使用により, 各部に経年変化が起こり, 同時に快適性も低下している場合が多い. そこで今回我々は, 備品車椅子の実状を調査し, その対応を検討した. 車椅子の総数は315台で, その3分の2は何らかの修正を要する状態であり, 特に座布のたるみが大きな問題であった. 座布のたるみは, 座位姿勢の不良につながることが予想された. また, 古い車椅子, 新しい車椅子, 及び各種クッションについて座圧を測定した結果, 機能的なクッションを使用した場合が一番成績が良かった. 以上の結果をふまえ, 古い座布を取り外し, そこに座板, 金属プレート, クッションなどを使用して試作し...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 48; no. 5; p. 753
Main Authors 古田大樹, 丸山陽一, 斉藤武明, 斉藤茂喜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2000
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Summary:施設の備品車椅子は長期間の使用により, 各部に経年変化が起こり, 同時に快適性も低下している場合が多い. そこで今回我々は, 備品車椅子の実状を調査し, その対応を検討した. 車椅子の総数は315台で, その3分の2は何らかの修正を要する状態であり, 特に座布のたるみが大きな問題であった. 座布のたるみは, 座位姿勢の不良につながることが予想された. また, 古い車椅子, 新しい車椅子, 及び各種クッションについて座圧を測定した結果, 機能的なクッションを使用した場合が一番成績が良かった. 以上の結果をふまえ, 古い座布を取り外し, そこに座板, 金属プレート, クッションなどを使用して試作した座面修正装置を設置した. 使用感は新しい車椅子の座布に比べても良好で, 下肢駆動も楽な高さに収まった. 安価に, 機能的な座面が出来たと思うが, 体格に合わせた微調整が困難・背布の修正等, 問題点もあるため, 今後も実用化に向け, 改良を重ねたい.
ISSN:0468-2513