54. スノーボード外傷の治療経験―スキー外傷との比較を中心に

近年, スノーボードの人気が高まり愛好者が増加するに伴い, 滑走中の事故による外傷の患者が急増している. 今回1998年12月~1999年5月までに, 当科ならびに関連する各科で経験したスノーボードによる外傷症例422例について検討し, スキーによる外傷症例682例との比較を加え, 報告した. 年齢に関しては, スキー外傷患者に比べスノーボード外傷患者は20歳前後に集中していた. 性別に関してはスノーボード, スキー共に性差は認めなかった. 受傷機転に関しては, スノーボーダーは, ジャンプに伴う外傷の頻度が高かった. 受傷部位では, スキーに比べスノーボードでは, 頭部, 顔面の骨傷を伴う損...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 48; no. 5; p. 749
Main Authors 田中正英, 根本充, 橋本信子, 安田吉宏, 小川恭史, 村上博則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2000
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ISSN0468-2513

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Summary:近年, スノーボードの人気が高まり愛好者が増加するに伴い, 滑走中の事故による外傷の患者が急増している. 今回1998年12月~1999年5月までに, 当科ならびに関連する各科で経験したスノーボードによる外傷症例422例について検討し, スキーによる外傷症例682例との比較を加え, 報告した. 年齢に関しては, スキー外傷患者に比べスノーボード外傷患者は20歳前後に集中していた. 性別に関してはスノーボード, スキー共に性差は認めなかった. 受傷機転に関しては, スノーボーダーは, ジャンプに伴う外傷の頻度が高かった. 受傷部位では, スキーに比べスノーボードでは, 頭部, 顔面の骨傷を伴う損傷が多かった. スキー場における来場者の割合はいまだスキー客の方が多いことを考えあわせると, スノーボード外傷の危険性が高いと判断された. 今後, 受傷者を減らすためにもスノーボードのおもしろさだけでなく, 怪我の回避方法を含めた基本的技術, 知識を啓蒙する必要があると思われた.
ISSN:0468-2513