2. 地域住民組織による村民の痛みについての調査研究

昭和34年から全村健康管理活動を展開してきた八千穂村では, 男性による住民組織「衛生指導員会」が生れ, 現在も地域の健康管理活動において重要な役割を担っている. 村内でも農業従事者の多い地区で, 痛みの実態とケアについて, 2年に渡りアンケート調査及び学習会を行った. 対象地域の20歳以上629名の回答を得た結果, 約7割の人が痛みを感じており, 40~60歳代の働き盛りでは痛みがあっても農業を代わってくれる人がいない, やらざるを得ない, 休めないという状況にあることが地域の声として実感された. 自分一人でもできて, 少しでも痛みが緩和される方法を地域の人達に知ってもらうため, 学習会を行い...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 48; no. 5; p. 732
Main Authors 渡辺義次, 篠原始, 中山正, 島崎至, 古屋かつえ, 小林恵子, 佐々木富江, 佐々木みどり, 菊池洋子, 木内けさえ, 小椋美千子, 菊池厚子, 須田ゆきえ, 中山ます, 井出里江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 2000
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Summary:昭和34年から全村健康管理活動を展開してきた八千穂村では, 男性による住民組織「衛生指導員会」が生れ, 現在も地域の健康管理活動において重要な役割を担っている. 村内でも農業従事者の多い地区で, 痛みの実態とケアについて, 2年に渡りアンケート調査及び学習会を行った. 対象地域の20歳以上629名の回答を得た結果, 約7割の人が痛みを感じており, 40~60歳代の働き盛りでは痛みがあっても農業を代わってくれる人がいない, やらざるを得ない, 休めないという状況にあることが地域の声として実感された. 自分一人でもできて, 少しでも痛みが緩和される方法を地域の人達に知ってもらうため, 学習会を行い「福祉と健康のつどい」にて実演, 「自分でできることを取り入れながら痛みと上手に付き合っていこう」と呼びかけた. 今後も地域に暮らす者の実情を見つめ, 自分達の課題として地域に返しながら地域の健康づくりに取り組んでいきたい.
ISSN:0468-2513