「ハンセン病アーカイブズ構築のこれから ~過去そして今を, 未来に~」 - シンポジウムの概要, ハンセン病アーカイブズ構築の意義とこれからの課題

ハンセン病は人類の悲劇の歴史であり, 日本のみならず世界にも共通の事柄でした. 日本では1907年から1996年まで隔離政策が維持され, 患者・回復者のみならず家族の人権も大きく侵害されました. これらは, 一般には近代医学の未熟さ, 病気への医学的偏見の存在, 政治的不作為と社会的な差別の構図として理解されていますが, その実態は未だ明らかでなく, ハンセン病という難解な病気への医学的な対応の経緯と医学的根拠の検証, ハンセン病の社会的にも複雑な諸問題の検証は, まだ途上です. また, 近い将来には過去の病気となるであろうハンセン病の歴史を, その真実を, 未来に語り継ぎ, ハンセン病問題を...

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Published in日本ハンセン病学会雑誌 Vol. 86; no. 2; p. 119
Main Author 森修一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハンセン病学会 08.12.2017
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ISSN1342-3681

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Summary:ハンセン病は人類の悲劇の歴史であり, 日本のみならず世界にも共通の事柄でした. 日本では1907年から1996年まで隔離政策が維持され, 患者・回復者のみならず家族の人権も大きく侵害されました. これらは, 一般には近代医学の未熟さ, 病気への医学的偏見の存在, 政治的不作為と社会的な差別の構図として理解されていますが, その実態は未だ明らかでなく, ハンセン病という難解な病気への医学的な対応の経緯と医学的根拠の検証, ハンセン病の社会的にも複雑な諸問題の検証は, まだ途上です. また, 近い将来には過去の病気となるであろうハンセン病の歴史を, その真実を, 未来に語り継ぎ, ハンセン病問題を未来への教訓として役立てることは, 私たちの果たすべき重要な役割です.
ISSN:1342-3681