391 2P Prevotella intermedia およびP.nigrescens の付着能に対する血清タンパクおよび陽イオンの影響

【目的】歯周病原菌の付着能は, 存在する環境の体液成分に影響を受けることが知られている. そこで歯肉溝内の環境を想定し, 歯周病原菌であるPrevotella属菌群の硬, 軟両組織表面への付着に対する歯肉溝内滲出液の影響について検討を行った. さらにこの付着に対する陽イオンの影響についても検討を加えた. 【方法】硬組織への付着実験ではトリチウム標識したP. intermedia ATCC25611株およびP. nigrescens ATCC33563株細胞とHydroxyapatiteとを, 軟組織への付着実験では非標識の両菌株細胞と頬粘膜上皮細胞とをそれぞれ供試し, 歯肉溝内滲出液成分の代用...

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Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 45; no. 5; p. 362
Main Authors 田村宗明, 黒田亘一朗, 平野泰之, 林邦雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 歯科基礎医学会 2003
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Summary:【目的】歯周病原菌の付着能は, 存在する環境の体液成分に影響を受けることが知られている. そこで歯肉溝内の環境を想定し, 歯周病原菌であるPrevotella属菌群の硬, 軟両組織表面への付着に対する歯肉溝内滲出液の影響について検討を行った. さらにこの付着に対する陽イオンの影響についても検討を加えた. 【方法】硬組織への付着実験ではトリチウム標識したP. intermedia ATCC25611株およびP. nigrescens ATCC33563株細胞とHydroxyapatiteとを, 軟組織への付着実験では非標識の両菌株細胞と頬粘膜上皮細胞とをそれぞれ供試し, 歯肉溝内滲出液成分の代用として血清タンパクを添加して付着細菌細胞数を測定した. また, 各種陽イオンを添加した場合の付着細菌細胞数への影響も観察した. 【結果および結論】両菌株細胞共に添加した血清タンパクの濃度依存的に硬, 軟両組織表面への付着抑制が見られたが, その抑制効果には菌株間で差が認められた. 血清タンパク濃度の低い条件下において, Ni2+など付着を促進する陽イオンと反対にZn2+など抑制する陽イオンとが確認された. さらに陽イオン吸着性カラムを用いて陽イオンに吸着する各菌株細胞表層のタンパク成分について検討したところ, 菌株間にも供試した陽イオン間にも差が認められた.
ISSN:0385-0137