131 1P GBR法に用いる吸収性膜と骨形成系細胞との細胞基質関連に関する研究

【目的】骨増生を目的としたGuided Bone Regeneration(GBR)法に用いられる吸収性膜と骨形成系細胞の細胞動態を細胞基質間の関連性に注目して観察した. 【方法】生後4週齢雄性Wistar系ラットの上顎臼歯を抜歯し抜歯窩の治癒を待った後, 骨窩洞を形成し, コラーゲン性吸収性膜を用いてGBR法を行った. 術後1, 2週の試料において, H-E染色, アルカリホスファターゼ(ALP), オステオポンチン(OPN), オステオカルシン(OCN)の検出を行った. また, MC3T3-El細胞をコラーゲンデイッシュで培養し, アクチンの細胞内局在およびCbfa1/Runx-2とβ1-...

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Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 45; no. 5; p. 297
Main Authors 田口裕哉, 網塚憲生, 関雪絵, 大西英夫, 藤井規孝, 野村修一, 前田健康
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 歯科基礎医学会 2003
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Summary:【目的】骨増生を目的としたGuided Bone Regeneration(GBR)法に用いられる吸収性膜と骨形成系細胞の細胞動態を細胞基質間の関連性に注目して観察した. 【方法】生後4週齢雄性Wistar系ラットの上顎臼歯を抜歯し抜歯窩の治癒を待った後, 骨窩洞を形成し, コラーゲン性吸収性膜を用いてGBR法を行った. 術後1, 2週の試料において, H-E染色, アルカリホスファターゼ(ALP), オステオポンチン(OPN), オステオカルシン(OCN)の検出を行った. また, MC3T3-El細胞をコラーゲンデイッシュで培養し, アクチンの細胞内局在およびCbfa1/Runx-2とβ1-integrinの発現を解析した. 【結果および考察】術後1週では骨窩洞底部から骨形成が認められた. 術後2週では, 吸収性膜直下にALP陽性細胞が観察され, それに一致してOPN/OCN陽性反応が膜由来コラーゲン線維の表層に観察された. また, 通常のデイッシュで培養された細胞と比べて, コラーゲンデイッシュで培養されたMC3T3-E1細胞は細胞体を伸展させるとともに, 発達したストレスファイバーを形成した. また, それら細胞ではCbfa1/Runx-2とbl-integrinの若干の発現亢進が認められた. 以上より, コラーゲン性吸収性膜は骨原生細胞との細胞基質間接着を増強し, その後の分化促進にも関与すると推察された.
ISSN:0385-0137