15. 血漿フィブリノーゲン値と無症候性脳血管障害との関連

フィブリノーゲン(Fib)は血液粘度の主要な決定因子であり, Fib高値は脳梗塞リスクと関連している可能性がある. 本研究では, 岩手県大迫町の55歳以上の一般住民で頭部MRIを撮影した401人(平均年齢68歳)を対象に, Fibと無症候性脳血管障害[ラクナおよび脳室周囲高信号域(PVH)]との関連を横断的に検討した. Fib値で均等四分割した所, 高Fib群ほどラクナを有する頻度が大であった. Fib1SD(63mg/dl)上昇ごとのラクナを有するオッズ比は1.54(P=0.0002)であり各種危険因子で補正後も有意であった. FibとPVHには一定の関連は認められなかった. 本横断研究より...

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Published in日本循環器病予防学会誌 Vol. 40; no. 2; p. 113
Main Authors 青野蓉子, 菊谷昌浩, 原梓, 大久保孝義, 今井潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本循環器管理研究協議会 2005
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Summary:フィブリノーゲン(Fib)は血液粘度の主要な決定因子であり, Fib高値は脳梗塞リスクと関連している可能性がある. 本研究では, 岩手県大迫町の55歳以上の一般住民で頭部MRIを撮影した401人(平均年齢68歳)を対象に, Fibと無症候性脳血管障害[ラクナおよび脳室周囲高信号域(PVH)]との関連を横断的に検討した. Fib値で均等四分割した所, 高Fib群ほどラクナを有する頻度が大であった. Fib1SD(63mg/dl)上昇ごとのラクナを有するオッズ比は1.54(P=0.0002)であり各種危険因子で補正後も有意であった. FibとPVHには一定の関連は認められなかった. 本横断研究より, Fibは無症候性ラクナ梗塞の危険因子, あるいは予測因子である可能性が示唆された.
ISSN:1346-6267