習慣的な食事摂取量の分布を推定するための理論と実際 ―集団への食事摂取基準の適用の観点から

【背景】 日本人の食事摂取基準(2010年版)を活用し, 食事改善を目的として集団の食事摂取状態の評価を行うためには, 当該集団において測定された栄養素等の摂取量の分布を, 推定平均必要量, 目標量, 耐用上限量等と比較する必要がある. その際に注意すべき点として, 食事摂取基準は「習慣的な摂取量」の基準を与えるものであり, 短期間(例えば1日間)の食事の基準を示すものではないので, 集団の食事摂取状態の評価を行う際にも, 当該集団における栄養素等の「習慣的な摂取量」の分布を把握する必要がある. 本稿では, 複数日の食事調査から習慣的な摂取量の分布を推定するために提案されている理論を解説し,...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 71; no. suppl; pp. S7 - S14
Main Author 横山徹爾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養改善学会 01.04.2013
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Summary:【背景】 日本人の食事摂取基準(2010年版)を活用し, 食事改善を目的として集団の食事摂取状態の評価を行うためには, 当該集団において測定された栄養素等の摂取量の分布を, 推定平均必要量, 目標量, 耐用上限量等と比較する必要がある. その際に注意すべき点として, 食事摂取基準は「習慣的な摂取量」の基準を与えるものであり, 短期間(例えば1日間)の食事の基準を示すものではないので, 集団の食事摂取状態の評価を行う際にも, 当該集団における栄養素等の「習慣的な摂取量」の分布を把握する必要がある. 本稿では, 複数日の食事調査から習慣的な摂取量の分布を推定するために提案されている理論を解説し, 活用例を紹介する. 【主な理論】 National Research Council (NRC)法は分散分析を応用した比較的簡単で基本的な方法であるが, 非正規分布のデータを扱いにくい. Best-Power (BP)法は, 非正規分布のデータを扱えるように改良されている.
ISSN:0021-5147