小学校高学年生の摂食状況と排便習慣
近年, 食物繊維の生理的効果が解明されるにつれて, 食べ物と排便に関する研究が漸増してきている1, 2). 排便が順調に行われない状態, すなわち便秘は, 腹部の不快感やニキビなどの皮膚疾患等, 比較的軽度の不健康状態から, 痔疾や, 更に進んで大腸がんなど, 医療の対象となる重篤な疾患にまで関連が認められつつある1). 本報では, 女性に多くみられる便秘が既に学童期にもみられることから3), 排便に影響する因子を分析し, 学童の健康教育に必要な資料を得るため, 小学5, 6年生を対象に, 児童の排便頻度と食品摂取頻度についてのアンケート調査を行った. また, 排便頻度に影響を与える因子を特定...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 59; no. 4; pp. 183 - 190 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本栄養改善学会
2001
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Summary: | 近年, 食物繊維の生理的効果が解明されるにつれて, 食べ物と排便に関する研究が漸増してきている1, 2). 排便が順調に行われない状態, すなわち便秘は, 腹部の不快感やニキビなどの皮膚疾患等, 比較的軽度の不健康状態から, 痔疾や, 更に進んで大腸がんなど, 医療の対象となる重篤な疾患にまで関連が認められつつある1). 本報では, 女性に多くみられる便秘が既に学童期にもみられることから3), 排便に影響する因子を分析し, 学童の健康教育に必要な資料を得るため, 小学5, 6年生を対象に, 児童の排便頻度と食品摂取頻度についてのアンケート調査を行った. また, 排便頻度に影響を与える因子を特定する解析においては, 結果をより厳密に評価するために, 多変量解析のロジスティック解析を行った. 方法 1. 対象者 福岡県久留米市及びその近郊を主体とする公立小学校27校の5, 6年生3, 869人のうち, 調査票の各項目についてほぼ完全に回答している者3, 867人(99. 9%)を集計の対象とした. |
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ISSN: | 0021-5147 |