1 若年者の脳卒中の鑑別疾患と治療

「はじめに」若年者の脳卒中は, 動脈硬化や非弁膜症性心房細動などを主原因とする中高年者の脳卒中と背景因子や成因が異なることが明らかにされている. 我が国では, 若年者の脳血管障害の頻度や臨床的特徴を明らかにする目的で, 循環器病研究委託費による「若年世代の脳卒中の診断, 治療, 予防戦略に関する全国多施設共同研究 (Strategies against Stroke Study for Young Adult in Japan : SASSY-Japan) 」 (主任研究者 : 峰松一夫) が行われた. 本稿では, SASSY-Japanのデータを紹介しながら, 若年者の脳卒中診療でポイントと...

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Published in神経治療学 Vol. 36; no. 3; pp. 135 - 139
Main Author 鈴木理恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 25.05.2019
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ISSN0916-8443

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Summary:「はじめに」若年者の脳卒中は, 動脈硬化や非弁膜症性心房細動などを主原因とする中高年者の脳卒中と背景因子や成因が異なることが明らかにされている. 我が国では, 若年者の脳血管障害の頻度や臨床的特徴を明らかにする目的で, 循環器病研究委託費による「若年世代の脳卒中の診断, 治療, 予防戦略に関する全国多施設共同研究 (Strategies against Stroke Study for Young Adult in Japan : SASSY-Japan) 」 (主任研究者 : 峰松一夫) が行われた. 本稿では, SASSY-Japanのデータを紹介しながら, 若年者の脳卒中診療でポイントとなる疾患の病態, 治療について概説する. 「I. 若年者の脳卒中の頻度」SASSY-Japanによると, 発症1週間以内の全脳卒中に占める若年者の脳卒中の割合は, 若年者を40歳以下と定義すると2.2%, 45歳以下と定義すると4.2%, 50歳以下と定義すると8.9%であった.
ISSN:0916-8443