成人性歯周炎の治療における12年経過例

歯周治療の目的は, 歯周病の病因を除去し, 歯周組織の機能的, 審美的回復をめざすとともに, その状態を維持管理していくことにある. そのためには, 健康回復後の長期にわたるメインテナンスが重要である. しかしながら, 長期に安定した歯周組織を維持するためには, 治療を始める以前の診査, 診断, 適切な治療計画の立案が何にもまして重要である. 今回, 歯周治療開始後, 12年を経過した一症例を反省を含めて報告する. 2. 初診患者:女性, 37歳初診日:1984年11月7日主訴:上の歯のが根だけになったり, 欠けたりして気になる既往歴:特記事項なし現病歴:上顎前歯部の補綴物が脱落し, 14,...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 39; no. suppl-spring; pp. 200 - 201
Main Authors 増田晴美, 村井正大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯周病学会 1997
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ISSN0385-0110

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Summary:歯周治療の目的は, 歯周病の病因を除去し, 歯周組織の機能的, 審美的回復をめざすとともに, その状態を維持管理していくことにある. そのためには, 健康回復後の長期にわたるメインテナンスが重要である. しかしながら, 長期に安定した歯周組織を維持するためには, 治療を始める以前の診査, 診断, 適切な治療計画の立案が何にもまして重要である. 今回, 歯周治療開始後, 12年を経過した一症例を反省を含めて報告する. 2. 初診患者:女性, 37歳初診日:1984年11月7日主訴:上の歯のが根だけになったり, 欠けたりして気になる既往歴:特記事項なし現病歴:上顎前歯部の補綴物が脱落し, 14, 36, 46に腫脹を繰り返し, 歯ブラシによる出血も認められる. 3. 診査, 検査所見1)口腔内所見:現在歯は, 初診時のチャートに示す, 22歯ならびに17, 16, 26の残根歯と48の埋伏歯. 上下顎ともに発赤, 腫脹を認め, 特に上顎前歯部は浮腫性の歯肉を呈した. 11, 21のフレーアウト, 46の挺出を認める.
ISSN:0385-0110