Tailase Buccal錠の初期歯垢沈着抑制効果に関する実験的研究

私たちは, 本剤の初期歯垢沈着抑制効果をより客観的に評価すべく以下の実験をおこなった. すなわち, 女子5名を被験者とし, 食事前に, 半円型のセルロイドベースを, 左右第1大臼歯頬面歯頸部に接着剤オルソマィトで直接歯面に接着し, 接着剤硬化直後に一定の食事をとらせた. 観察グループは本剤を投与していないcontrol群(上顎左右第1大臼歯頬側歯頸部)と食後直ちに, α-amylase 30mg含有のタイラーゼバッカルを投与した場合の二つに分け, さらに, 本剤の溶解流布範囲について検索するために, 投与群を挿入側(上顎左側第1大臼歯頬面歯頸部)と反対側(上顎右側第1大臼歯頬側歯頸部)に分けた...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 18; no. 3; p. 439
Main Authors 三瀬博司, 護邦忠弘, 民上良徳, 上田雅俊, 今井久夫, 山岡昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯周病学会 1976
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Summary:私たちは, 本剤の初期歯垢沈着抑制効果をより客観的に評価すべく以下の実験をおこなった. すなわち, 女子5名を被験者とし, 食事前に, 半円型のセルロイドベースを, 左右第1大臼歯頬面歯頸部に接着剤オルソマィトで直接歯面に接着し, 接着剤硬化直後に一定の食事をとらせた. 観察グループは本剤を投与していないcontrol群(上顎左右第1大臼歯頬側歯頸部)と食後直ちに, α-amylase 30mg含有のタイラーゼバッカルを投与した場合の二つに分け, さらに, 本剤の溶解流布範囲について検索するために, 投与群を挿入側(上顎左側第1大臼歯頬面歯頸部)と反対側(上顎右側第1大臼歯頬側歯頸部)に分けた. また, 観察時間を歯垢沈着の初期像に焦点をあわせ, 6時間までを1時間ごとに区切り, それぞれの時間にセルロイドベースを回収し, 中性ホルマリンで固定後, 通法によりメチレン青にて染色した. 次いでニコチン社製Multiphotを用いて, セルロイドベースを5倍に拡大し, 撮影をおこなった後, そのフィルムをレスカ社製PPA-250型Photo Pattern Analyzerにて, 分別濃度でアナライズし, 同時に面積積算をおこない, control群と実験群とを比較したところ, 一応, 本剤の投与側では食後4時間目まで, 歯垢の沈着抑制効果のあることが確認できた.
ISSN:0385-0110