歯周外科に関する研究 5. 口腔小帯の検討, その頻度と位置, 形態について

歯周環境を踏えた歯周治療学を行なう上で小帯の位置および形態の頻度を明らかにすることが重要であると考え, 舌小帯を除いた各種小帯の臨床的観察を行なった. 対象は, 4才から69才までの男性663名, 女性661名の計1224名である. 部位別性別頻度:4才から9才までの124名については, 上唇小帯は全例に, 下唇小帯は男性93.7%, 女性95.1%にみられた. 頬小帯は, 男女共に, 上下顎大歯第1乳臼歯間に50%前後みられた. 10才から69才までにについてみると, 男性においては, 左側下顎犬歯と左側下顎第1小臼歯の間に43.3%と最も多く, 右側下顎犬歯部の34.2%, 右側下顎犬歯と...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 18; no. 1; pp. 146 - 147
Main Authors 伊藤輝夫, 曾我宏世, 前川尚之, 赤司睦雄, 坪口満明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯周病学会 1976
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Summary:歯周環境を踏えた歯周治療学を行なう上で小帯の位置および形態の頻度を明らかにすることが重要であると考え, 舌小帯を除いた各種小帯の臨床的観察を行なった. 対象は, 4才から69才までの男性663名, 女性661名の計1224名である. 部位別性別頻度:4才から9才までの124名については, 上唇小帯は全例に, 下唇小帯は男性93.7%, 女性95.1%にみられた. 頬小帯は, 男女共に, 上下顎大歯第1乳臼歯間に50%前後みられた. 10才から69才までにについてみると, 男性においては, 左側下顎犬歯と左側下顎第1小臼歯の間に43.3%と最も多く, 右側下顎犬歯部の34.2%, 右側下顎犬歯と第1小臼歯の間, 右側上顎第1小臼歯部の各32.5%の順であった. 女性においては, 右側下顎第1小臼歯の27.5%が最も多く, 右側上顎第1小臼歯の23.3%, 右側上顎犬歯部の20.8%の順であった. 各年代別にみた部位別頻度:上下顎の小帯の発現頻度は増令と共に減少し, その部位も下顎犬歯小臼歯部に多くみられた. 小帯の形態別部位別頻度:小帯の付着部に丸みがあり太いものをヒモ状, 付着部が鋭角を呈し全体に細いものを線状, それ以下を痕跡とし, その頻度を調べた.
ISSN:0385-0110