アロキサン糖尿病ラットの歯周組織におけるlysosomal enzymeについて
糖尿病は歯周疾患の全身的要因として極めて重要であることは従来からよく知られており, 実験的にも糖尿病動物の歯周組織に種々の病変が生じることが認められている. 一般に糖尿病時には組織の抵抗性が減弱し, 細菌が感染しやすい状態にあり, 歯周組織でも何らかの代謝変化が生じ, その結果, 種々の局所的因子が加わって病変が進行するものと思われる. 一方, 歯周疾患患者の歯肉浸出液や唾液中である種のlysosomal enzymeや加水分解酵素が疾患の程度と相関して増加することが認められているが, 糖尿病時の歯周組織でこれらの酵素がいかなる変動を示すかに関しては明らかではない. そこで演者らは代表的なly...
Saved in:
Published in | 日本歯周病学会会誌 Vol. 17; no. 2; pp. 328 - 329 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本歯周病学会
1975
|
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 糖尿病は歯周疾患の全身的要因として極めて重要であることは従来からよく知られており, 実験的にも糖尿病動物の歯周組織に種々の病変が生じることが認められている. 一般に糖尿病時には組織の抵抗性が減弱し, 細菌が感染しやすい状態にあり, 歯周組織でも何らかの代謝変化が生じ, その結果, 種々の局所的因子が加わって病変が進行するものと思われる. 一方, 歯周疾患患者の歯肉浸出液や唾液中である種のlysosomal enzymeや加水分解酵素が疾患の程度と相関して増加することが認められているが, 糖尿病時の歯周組織でこれらの酵素がいかなる変動を示すかに関しては明らかではない. そこで演者らは代表的なlysosomal enzymeであるβ-glucuronidase(β-Gace)とacid phosphatase (Ac phase), ならびにalkalinephosphatase(Al phase)活性がalloxan糖尿病ラットの歯周組織でいかなる変動を示すかを比較的長時間にわたり検討した系雄ラットにalloxan monohydrateの200mg/kgを腹腔内に投与し, 血糖が300mg/dl以上を示した重症糖尿病ラットを使用し, 歯肉, 歯槽骨および口腔粘膜のβ-Gase, Ac PhaseおよびAl phase活性を生化学的に測定し, 以下の成績を得た. すなわち, Wistar系雄ラットにalloxan monohydrateの200mg/kgを腹腔内に投与し, 血糖が300mg/dl以上を示した重症糖尿病ラットを使用し, 歯肉, 歯槽骨および口腔粘膜のβ-Gase, Ac PhaseおよびAl phase活性を生化学的に測定し, 以下の成績を得た. |
---|---|
ISSN: | 0385-0110 |