25.著明なmicroheterogeneityを示したγ3H鎖病蛋白の解析
【目的】我々は日常検査において血清蛋白分画とIgG定量値との乖離からγ3H鎖病症例を見出した1). このH鎖病蛋白の分子量決定のために行ったWestern Blotting分析で2本のバンドを検出し, さらに二次元電気泳動法での解析を加えたところ複数個のスポットを認めた. そこでこの著明なmicroheterogeneityの要因を解析した. 【症例】平成17年1月, 当院に悪性リンパ腫加療目的で入院した65歳, 女性. 入院時に実施した血清蛋白分画は, Alb 49.6%, α1 4.0%, α2 5.7%, β 18.6%, γ 22.1%であり, セア膜上で左右非対称性のブロードなβ分画...
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Published in | 生物物理化学 Vol. 50; no. 3; p. 136 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本電気泳動学会
2006
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ISSN | 0031-9082 |
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Summary: | 【目的】我々は日常検査において血清蛋白分画とIgG定量値との乖離からγ3H鎖病症例を見出した1). このH鎖病蛋白の分子量決定のために行ったWestern Blotting分析で2本のバンドを検出し, さらに二次元電気泳動法での解析を加えたところ複数個のスポットを認めた. そこでこの著明なmicroheterogeneityの要因を解析した. 【症例】平成17年1月, 当院に悪性リンパ腫加療目的で入院した65歳, 女性. 入院時に実施した血清蛋白分画は, Alb 49.6%, α1 4.0%, α2 5.7%, β 18.6%, γ 22.1%であり, セア膜上で左右非対称性のブロードなβ分画像を呈していた. このとき, TP6.6g/dl, IgG 2,559mg/d1, であり, γ分画の蛋白濃度(1,459mg/d1)と乖離が認められた. 本症例における異常血清蛋白の免疫化学的特性を検索する目的で施行した, 免疫固定電気泳動法, 免疫電気泳動法, Immuno-selection法により, 本患者血中にはγ3H鎖病蛋白の存在が確認された. なお尿ではH鎖病蛋白を検出することはできなかった. |
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ISSN: | 0031-9082 |