慢性総頚動脈閉塞症に合併した同側症候性内頚動脈狭窄症に対し, 内頚動脈内膜]R離術を施行した1例

「要旨」症候性総頚動脈閉塞症や, 同側の総頚動脈と内頚動脈のtandem lesionはまれな疾患であり, 治療に関するコンセンサスはない. 今回われわれは慢性総頚動脈閉塞症に合併した同側症候性内頚動脈狭窄症に対し, 内頚動脈内膜剥離術(CEA)を施行した1例を経験したので報告する. 症例は73歳, 男性で, これまで2回脳梗塞のため当院で入院加療を受けた. 脳血管撮影にて慢性総頚動脈閉塞症と同側の内頚動脈狭窄症を認め, 2回目の脳血管撮影で内頚動脈狭窄症の進行を認めた. SPECTでは有意な左右差は認めず, 繰り返す脳梗塞の原因として血行力学的脳虚血よりは内頚動脈狭窄症による動脈原性塞栓が疑...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 50; no. 5; pp. 392 - 398
Main Authors 山本陽子, 島田健司, 山口泉, 宮本健志, 曽我部周, 兼松康久, 高木康志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中の外科学会 30.09.2022
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ISSN0914-5508

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Summary:「要旨」症候性総頚動脈閉塞症や, 同側の総頚動脈と内頚動脈のtandem lesionはまれな疾患であり, 治療に関するコンセンサスはない. 今回われわれは慢性総頚動脈閉塞症に合併した同側症候性内頚動脈狭窄症に対し, 内頚動脈内膜剥離術(CEA)を施行した1例を経験したので報告する. 症例は73歳, 男性で, これまで2回脳梗塞のため当院で入院加療を受けた. 脳血管撮影にて慢性総頚動脈閉塞症と同側の内頚動脈狭窄症を認め, 2回目の脳血管撮影で内頚動脈狭窄症の進行を認めた. SPECTでは有意な左右差は認めず, 繰り返す脳梗塞の原因として血行力学的脳虚血よりは内頚動脈狭窄症による動脈原性塞栓が疑われた. 侵襲度を考慮して総頚動脈の再建は行わず, 内頚動脈のみに限局したCEAを施行した. 術後経過良好で, 6カ月経った現在脳虚血発作は認めていない.
ISSN:0914-5508