慢性腎木全患者に発症した出血性脳血管障害の周術期管理
慢性腎不全患者に発症した頭蓋内出血は, 急性期管理が困難で, 血液透析(hemodialysis:HD)に伴う不均衡症侯群で頭蓋内圧が亢進4)11)したり, ヘパリンなどの抗凝固剤の使用により血腫の増大をきたすことが多く非常に予後不良であった. 近年, 持続携行式腹膜透析(continuous ambulatory peritoneal dialysis:CAPD)は不均衡症候群などの合併症が少なく, ヘパリンなどの抗凝固剤も不要であることから, 慢性腎不全を合併した頭蓋内出血患者に対する血液浄化療法の第一選択とされてきた4)1O). しかし, CAPDは腹部手術の既往がある症例では, 透析膜...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 28; no. 5; pp. 393 - 396 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳卒中の外科学会
2000
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ISSN | 0914-5508 |
Cover
Summary: | 慢性腎不全患者に発症した頭蓋内出血は, 急性期管理が困難で, 血液透析(hemodialysis:HD)に伴う不均衡症侯群で頭蓋内圧が亢進4)11)したり, ヘパリンなどの抗凝固剤の使用により血腫の増大をきたすことが多く非常に予後不良であった. 近年, 持続携行式腹膜透析(continuous ambulatory peritoneal dialysis:CAPD)は不均衡症候群などの合併症が少なく, ヘパリンなどの抗凝固剤も不要であることから, 慢性腎不全を合併した頭蓋内出血患者に対する血液浄化療法の第一選択とされてきた4)1O). しかし, CAPDは腹部手術の既往がある症例では, 透析膜となる腹膜が癒着していることが多く一般に適応にならない. 今回われわれは, 腹部手術の既往のある慢性腎不全患者に発症した頭蓋内出血に対し, 持続的血液濾過(continuous hemofiltration:CHF)および持続的血液濾過透析(continuous hemodiafiltration:CHDF)で周術期管理を行い良好な経過を得た2症例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 症例 〈症例1〉51歳, 女性. 主訴:意識障害, 頭痛. |
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ISSN: | 0914-5508 |