新規経口抗生物質S-1090,Ceftibuten,アミノ-β-ラクタム剤の吸収機構の比較
目的 経口β-ラクラム抗生物質は, 脂溶性から予想されるよりも良好な吸収性を示し, 化学構造の類似性からジペプチド(トリペプチド)の輸送系がその吸収に関与していることが報告されてきた1-4). 当初, トリペプチドとして認識されるためには下図に示したcefaclorのように7位側鎖にα-アミノ基を有することが必須であると考えられていたが, その後, α-アミノ基がなくても吸収が良好なジカルボン酸型のcefixime, ceftibuten, さらにはhydroxyimido基を有するcefdinir, S-1090(塩野義製薬で開発中)が見い出された. 本報では, ceftibuten, S-...
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Published in | 薬物動態 Vol. 9; no. suppl; pp. S106 - S109 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本薬物動態学会
1994
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ISSN | 0916-1139 |
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Summary: | 目的 経口β-ラクラム抗生物質は, 脂溶性から予想されるよりも良好な吸収性を示し, 化学構造の類似性からジペプチド(トリペプチド)の輸送系がその吸収に関与していることが報告されてきた1-4). 当初, トリペプチドとして認識されるためには下図に示したcefaclorのように7位側鎖にα-アミノ基を有することが必須であると考えられていたが, その後, α-アミノ基がなくても吸収が良好なジカルボン酸型のcefixime, ceftibuten, さらにはhydroxyimido基を有するcefdinir, S-1090(塩野義製薬で開発中)が見い出された. 本報では, ceftibuten, S-1090を中心にラット小腸刷子縁膜小胞ならびにヒト大腸癌由来培養細胞Caco-2への取り込み特性を比較し, 輸送系の基質認識性について興味ある知見が得られたので報告する. 実験方法 ラット小腸刷子縁膜小胞は, Kesslerらの方法5)に従って調製した. |
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ISSN: | 0916-1139 |