造影経口腔頸部血管超音波 (CETOCU) による頭蓋外内頸動脈解離の評価

脳動脈解離は若年性脳梗塞の原因の一つとして重要であり, 更なる脳虚血の進行, 増悪, 再発や出血性脳卒中を合併することもあり, その頻度は解離部位により異なる. 経過中に血管形態の変化を認め, 多彩な病態を呈することが知られており, その変化に応じた治療を行うことが重要である. 部位別に見ると, わが国では頭蓋内椎骨動脈解離が最も多く, 頭蓋外内頸動脈解離は2.4%と稀であるが, 内頸動脈(ICA)解離の病態把握としてintimal flapの存在, 真腔, 偽腔内血流の状態, 動脈瘤形成の有無など, 頸動脈超音波検査から得られる情報は多い. 症例は脂質異常症の既往がある47歳男性である. 某...

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Published inNeurosonology Vol. 29; no. 1; pp. 1 - 3
Main Authors 清水高弘, 伊藤英道, 田中雄一郎, 長谷川泰弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経超音波学会 31.03.2016
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Summary:脳動脈解離は若年性脳梗塞の原因の一つとして重要であり, 更なる脳虚血の進行, 増悪, 再発や出血性脳卒中を合併することもあり, その頻度は解離部位により異なる. 経過中に血管形態の変化を認め, 多彩な病態を呈することが知られており, その変化に応じた治療を行うことが重要である. 部位別に見ると, わが国では頭蓋内椎骨動脈解離が最も多く, 頭蓋外内頸動脈解離は2.4%と稀であるが, 内頸動脈(ICA)解離の病態把握としてintimal flapの存在, 真腔, 偽腔内血流の状態, 動脈瘤形成の有無など, 頸動脈超音波検査から得られる情報は多い. 症例は脂質異常症の既往がある47歳男性である. 某年X月22日に右手の脱力と呂律障害を自覚した. 症状は数分で消失したが, 一過性脳虚血発作が疑われ, 近医へ救急搬送された. 症状の増悪は認めなかったものの, 頭部MRA検査で左ICAの描出不良を認め, 精査加療目的にて同月26日に当院脳神経外科に転院となった.
ISSN:0917-074X