超音波造影剤SH/TA-508の臨床第III相試験
はじめに 脳血管領域の画像診断は, 1970年代にCTが, その後MRIが導入されて以来大きく進歩した. しかし, これらの装置は設置場所の制限や, 高価であるなどの理由から導入台数には限りがある. その結果, 患者の検査までの待ち時間が長くなることがあり, 検査一回あたりの医療費も高額である. 一方, 超音波診断装置はコンパクトでCTやMRIに比べ安価で, かつ検査から得られる情報量も多い. 超音波画像診断法は, 心臓や腹部臓器の分野では既に確立した検査法となっている. 頭蓋内脳血管領域でも経頭蓋超音波ドプラ法(Transcranial Doppler:TCD 1))の開発に伴い, 頭蓋内血...
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Published in | Neurosonology Vol. 8; no. 4; pp. 173 - 184 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経超音波学会
1995
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ISSN | 0917-074X |
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Summary: | はじめに 脳血管領域の画像診断は, 1970年代にCTが, その後MRIが導入されて以来大きく進歩した. しかし, これらの装置は設置場所の制限や, 高価であるなどの理由から導入台数には限りがある. その結果, 患者の検査までの待ち時間が長くなることがあり, 検査一回あたりの医療費も高額である. 一方, 超音波診断装置はコンパクトでCTやMRIに比べ安価で, かつ検査から得られる情報量も多い. 超音波画像診断法は, 心臓や腹部臓器の分野では既に確立した検査法となっている. 頭蓋内脳血管領域でも経頭蓋超音波ドプラ法(Transcranial Doppler:TCD 1))の開発に伴い, 頭蓋内血管の閉塞や狭窄が超音波を利用して診断されるようになった. しかし, TCDでは, 超音波ビームの目的血管への入射角を求めることができないため, 絶対血流速度を得ることが困難である. 近年, 経頭蓋カラードプラ血流表示法(Transcranial Color Flow Imaging:TCCFI)の進歩により, この入射角の測定が容易となり, 正確な血流速度測定が可能となった2). |
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ISSN: | 0917-074X |