超音波ドプラ法を用いた頸部脳内流入動脈血流速度同時連続計測データのFFT analyzerによる自動解析

1.目的 われわれはcontinuous Doppler signalを用いて左右内頸, および左右椎骨動脈, 計4血管の血流を同時に連続的に測定し, 種々の負荷に対する血流変化を観察して検討を加えてきた1)2)3). その理由は従来の一血管ごとに血流を測定する方法では個々の血管の反応性を観察するにとどまり, 一刺激(負荷)に対する一個体全体としての反応を観察するには同時測定法がより正確であると考えたからである. 現在, 血流の判定に一定時間単位での処理結果を指標にしている機器が多いが, われわれは心拍単位での処理5)が脈波としての動脈血流をとらえるうえで今後重要になるものと考え, 以前から一...

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Published inNeurosonology Vol. 6; no. 2; pp. 59 - 63
Main Authors 槇永剛一, 近藤秀樹, 越智直哉, 松村喜志雄, 明石恵司, 古河辰之, 鄭庸勝, 田中重実, 金子仁郎, 西村健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経超音波学会 1993
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Summary:1.目的 われわれはcontinuous Doppler signalを用いて左右内頸, および左右椎骨動脈, 計4血管の血流を同時に連続的に測定し, 種々の負荷に対する血流変化を観察して検討を加えてきた1)2)3). その理由は従来の一血管ごとに血流を測定する方法では個々の血管の反応性を観察するにとどまり, 一刺激(負荷)に対する一個体全体としての反応を観察するには同時測定法がより正確であると考えたからである. 現在, 血流の判定に一定時間単位での処理結果を指標にしている機器が多いが, われわれは心拍単位での処理5)が脈波としての動脈血流をとらえるうえで今後重要になるものと考え, 以前から一心拍期間内(一心周期)の最高流速の平均値(averaged maximum velocity:以下AMVと略す)を血流量の指標として用いている4). 今回, 脳血流変化の解析をデータ処理の容易なDual Channel FFT (fast Fourier transform) Analyzerを用いて, 最大power spectrumの平均値(averaged maximum spectral density:以後AMSDと略す)を指標として求め, AMVによる成績と比較し, その有用性を検討した.
ISSN:0917-074X