周産期超音波診断の有用性

1.はじめに 近年産科領域における超音波画像診断の目覚ましい普及とともに, 中枢神経系奇形が出生前にみいだされる機会が増している. 過去2年間にこれら患児の24症例に遭遇し, 14症例に対して脳神経外科的対応を行なってきた. その初期においては母体腹部CT画像で, 最近では母体腹部MRI検査を追加することにより治療方針を決定している. また脳神経外科的対応後, これら患児の大泉門エコーによるfollow upを行なっているが, 出生前, 後における周産期超音波診断の有用性について自験24症例の経験を報告する. 2.対象と結果 1987年12月より1989年12月までの過去2年間に大阪大学ならび...

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Published inNeurosonology Vol. 3; no. 2; pp. 97 - 103
Main Authors 森本一良, 早川徹, 若山暁, 池田卓也, 最上平太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経超音波学会 1990
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Summary:1.はじめに 近年産科領域における超音波画像診断の目覚ましい普及とともに, 中枢神経系奇形が出生前にみいだされる機会が増している. 過去2年間にこれら患児の24症例に遭遇し, 14症例に対して脳神経外科的対応を行なってきた. その初期においては母体腹部CT画像で, 最近では母体腹部MRI検査を追加することにより治療方針を決定している. また脳神経外科的対応後, これら患児の大泉門エコーによるfollow upを行なっているが, 出生前, 後における周産期超音波診断の有用性について自験24症例の経験を報告する. 2.対象と結果 1987年12月より1989年12月までの過去2年間に大阪大学ならびに大阪府立母子保健総合医療センターにおいて出生前診断された中枢神経系奇形は24例で, このうち症例番号に丸印を付けた14症例に出生後脳神経外科的対応を施行した(Table 1). 母体腹部超音波画像による異常発見時期は17~36週で, 平均30.4±4.2週(Table 2上)であった.
ISSN:0917-074X