超音波断層法(Bモード)による頸部頸動脈狭窄病変の検討

1.はじめに 頸部頸動脈病変の診断に超音波断層法を用いる最大の利点は, 動脈内腔のみならず動脈壁の断層像が得られる点にあると考えられる1)-7). われわれの施設でもCEA(Carotid endarterectomy)の術前術後検査にこの超音波断層法を用いている8). 最近CEA術前検査時の詳細な超音波断層像と術中に摘出した実際の動脈硬化巣の肉眼所見および組織所見とを対比し若干の知見を得たので報告する. 2.使用機種および方法 使用した超音波診断装置はリニアセクタ電子走査超音波診断装置U-SONIC Model RT-3600(横河メディカル社製)であり, H型リニア電子プローブ(7.5MH...

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Published inNeurosonology Vol. 2; no. 2; pp. 70 - 75
Main Authors 高瀬憲作, 上田伸, 松本圭蔵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経超音波学会 1989
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Summary:1.はじめに 頸部頸動脈病変の診断に超音波断層法を用いる最大の利点は, 動脈内腔のみならず動脈壁の断層像が得られる点にあると考えられる1)-7). われわれの施設でもCEA(Carotid endarterectomy)の術前術後検査にこの超音波断層法を用いている8). 最近CEA術前検査時の詳細な超音波断層像と術中に摘出した実際の動脈硬化巣の肉眼所見および組織所見とを対比し若干の知見を得たので報告する. 2.使用機種および方法 使用した超音波診断装置はリニアセクタ電子走査超音波診断装置U-SONIC Model RT-3600(横河メディカル社製)であり, H型リニア電子プローブ(7.5MHz,60mm視野)を用いた. Bモード断層像は主として頸動脈の長軸方向に平行な像として撮影した. リアルタイムの像はビデオに録画した. スキャン時の要領を箇条書きにすると(Fig.1), 1)頸動脈の内頸―外頸動脈分岐部が最もよく描出される断層面を探る.
ISSN:0917-074X