頸部頚動脈内膜剥離術前後における超音波断層検査の有用性
1.はじめに 頸部頸動脈病変に対して超音波診断機器を応用することはすでに, 欧米では広くおこなわれており, とくに頸部頸動脈内膜剥離術(CEA)の症例が増加するに従って重要視される傾向にある1)-5). 一方, 本邦においては, すでに1956年里村らによって超音波ドプラ法が考案されて以来, 血流速度の測定やその評価が行なわれてきた6). 最近吉村らにより超音波定量的血流測定装置(QMF)が開発され臨床にも応用されている7). これらは主として頭蓋内の血流動態を頸部頸動脈の血流測定により推測しようとするものである. 本邦では頭蓋外頸動脈の狭窄ないし閉塞性病変が少なかったこともあり超音波診断機器...
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Published in | Neurosonology Vol. 2; no. 1; pp. 16 - 22 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経超音波学会
1989
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Summary: | 1.はじめに 頸部頸動脈病変に対して超音波診断機器を応用することはすでに, 欧米では広くおこなわれており, とくに頸部頸動脈内膜剥離術(CEA)の症例が増加するに従って重要視される傾向にある1)-5). 一方, 本邦においては, すでに1956年里村らによって超音波ドプラ法が考案されて以来, 血流速度の測定やその評価が行なわれてきた6). 最近吉村らにより超音波定量的血流測定装置(QMF)が開発され臨床にも応用されている7). これらは主として頭蓋内の血流動態を頸部頸動脈の血流測定により推測しようとするものである. 本邦では頭蓋外頸動脈の狭窄ないし閉塞性病変が少なかったこともあり超音波診断機器を頸部頸動脈病変に用いたという報告は散見されるにとどまっていた8). しかしながら, 最近本邦においても頸部頸動脈の閉塞ないし狭窄性病変が増加し頸部頸動脈内膜剥離術の適応のある症例が多くみられるようになり9), 頸部頸動脈に対する非侵襲的な検査法も種々用いられるようになってきている. |
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ISSN: | 0917-074X |