最近の話題58 (2021/3/2配信) HSP90阻害剤およびHSPA12Aによるエンドトキシン誘発パイロトーシスの抑制

パイロトーシス(pyroptosis)は炎症に関連した遺伝子制御された細胞死(regulated cell death, RCD)の一種である. すでに, 熱中症などが要因となる熱ストレスがパイロトーシスを誘発することはラットの肝細胞やヒト臍帯静脈内皮細胞で報告されている. 最近, HSP90阻害剤および熱ショックタンパク質HSPA12Aがパイロトーシスを抑制する知見が報告されたので紹介する. Zhouらは, エンドトキシンである菌体構成成分リポポリサッカライド(LPS)あるいはStreptomyces hygroscopicusに由来する抗生物質ニゲリシンで誘発したヒト急性単球性白血病THP...

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Published inThermal Medicine Vol. 37; no. 1; pp. 24 - 26
Main Authors 近藤隆, 服部裕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハイパーサーミア学会 31.03.2021
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Summary:パイロトーシス(pyroptosis)は炎症に関連した遺伝子制御された細胞死(regulated cell death, RCD)の一種である. すでに, 熱中症などが要因となる熱ストレスがパイロトーシスを誘発することはラットの肝細胞やヒト臍帯静脈内皮細胞で報告されている. 最近, HSP90阻害剤および熱ショックタンパク質HSPA12Aがパイロトーシスを抑制する知見が報告されたので紹介する. Zhouらは, エンドトキシンである菌体構成成分リポポリサッカライド(LPS)あるいはStreptomyces hygroscopicusに由来する抗生物質ニゲリシンで誘発したヒト急性単球性白血病THP-1細胞のパイロトーシスに対して, 155種類の化学物質を対象に抑制物質をスクリーニングした. その結果, HSP90阻害剤であるゲルダナマイシンはパイロトーシスを抑制した.
ISSN:1882-2576
1882-3750