一般演題-2(臨床) 頸部リンパ節転移を伴う進行口腔癌に対する温熱放射線化学療法

われわれは進行した口腔癌に対し浅側頭動脈/後頭動脈よりの超選択的動注化学放射線療法を治療の主体としているが, N2, 3症例などに対しては動注化学放射線療法だけでは制御困難となることもある. そこでこのような症例に対して頸部へのハイパーサーミアを併用し, 転移リンパ節の制御を行い, 治療成績の向上を目指している. 横浜市立大学附属病院歯科口腔外科において温熱放射線化学療法を行った進行口腔癌11症例につき概要を報告する. 症例は男性8例, 女性3例, 年齢35歳から75歳, 口底癌4例, 舌癌3例, 下顎歯肉癌3例, 上顎歯肉癌1例である. 頸部リンパ節についてはN2b:3例, N2c:1例,...

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Published inThermal Medicine Vol. 26; no. 2; pp. 56 - 57
Main Authors 光藤健司, 岩井俊憲, 光永幸代, 足立誠, 小泉敏之, 小栗千里, 渡貫圭, 筑丸寛, 廣田誠, 藤内祝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハイパーサーミア学会 2010
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ISSN1882-2576

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Summary:われわれは進行した口腔癌に対し浅側頭動脈/後頭動脈よりの超選択的動注化学放射線療法を治療の主体としているが, N2, 3症例などに対しては動注化学放射線療法だけでは制御困難となることもある. そこでこのような症例に対して頸部へのハイパーサーミアを併用し, 転移リンパ節の制御を行い, 治療成績の向上を目指している. 横浜市立大学附属病院歯科口腔外科において温熱放射線化学療法を行った進行口腔癌11症例につき概要を報告する. 症例は男性8例, 女性3例, 年齢35歳から75歳, 口底癌4例, 舌癌3例, 下顎歯肉癌3例, 上顎歯肉癌1例である. 頸部リンパ節についてはN2b:3例, N2c:1例, N3:6例, rN1:1例であった. rN1については舌癌の頸部後発転移症例で転移リンパ節が舌骨に接しているため術前治療として温熱放射線化学療法を施行した. 11症例中9例については超選択的動注化学放射線療法との併用を行い, 2例については全身化学放射線療法との併用であった. 治療後に頸部郭清術を施行し転移リンパ節の病理学的検索を行った7症例について検討した結果, 6例はpCRであった. 1例についてN3はpCRであったが, 頸部レベルIIIの転移リンパ節はgrade IIb(大星・下里分類)であった. 転帰は無病生存5例, 担癌生存2例, 死亡4例(肺転移2例, 肝転移1例, 他病死1例)であった. 口腔癌N2, 3症例に対して放射線化学療法にハイパーサーミアを併用することは有用である.
ISSN:1882-2576