7.放射線治療と高出力温熱療法後に胸膜炎を生じた肺癌放射線治療後再発の1例

• Published in: 日本ハイパーサーミア学会誌 Vol. 18; no. 4; p. 215
• Main Authors: 今田肇, 大栗隆行, 矢原勝哉, 小野寺周, 山田承子, 冨松敦之, 加藤文雄, 野元諭, 中田肇
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本ハイパーサーミア学会 2002
• ISSN: 0911-2529; 1881-9516

症例は45歳男性. 2000/5に近医で肺低分化腺癌の診断(TxN2M0)で化学療法後, 放射線治療69.5Gy施行され, その後CRとなる. 2001/12に腫瘍マーカ上昇, CTにて腫瘍の再増大がみられ, 化学療法施行するも, NC, 温熱放射線治療目的で当科受診. 放射線治療50Gyと温熱療法を12回施行した. 温熱療法は, Thermotron RF-8で週1回, 1600w, 50分行い, 病変は消失した. 放射線温熱療法終了後より, 強度の右胸痛が出現し, 右胸水も貯留, 胸膜炎との診断で, ステロイド治療を約2ヶ月施行し, 胸痛の消失, 胸水の消失を認めた. 当科において, これまで, 1600Wの高出力温熱療法を肺癌に多数施行してきたが, 胸膜炎症状を呈したのは初めての症例であった. 2度目の放射線治療の影響もあると思われたが, 高出力の温熱療法が関与した可能性もある.