6.肺癌(肺腫瘍)の放射線治療後再発例に対する温熱療法の寄与

【目的】肺癌(肺腫瘍)の放射線治療後再発に対して集学的治療として温熱療法を併用した2例について報告する. 【対象】腫瘍の内訳は2例とも原発性肺癌で1例は扁平上皮癌もう1例は腺様嚢胞癌であった. 前者は54歳男性で病期はcT3N2MO, 治療方法は放射線化学療法に温熱療法を併用した. 後者は46歳男性で病期はcT4N3MO, 治療方法は化学療法温熱療法の2者を併用した. 温熱回数は23回と26回で, 両者とも放射線治療後再発に対して温熱療法を施行した. 【結果】温熱療法後の観察期間は9ヶ月と20ヶ月である. 治療効果は両者ともPRであったが, 現在, 共に生存加療中である. 温熱療法に追加放射線...

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Published in日本ハイパーサーミア学会誌 Vol. 18; no. 4; p. 214
Main Authors 大賀才路, 浦島雄介, 佐々木智成, 塩山善之, 中村和正, 増田康治, 寺嶋廣美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハイパーサーミア学会 2002
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Summary:【目的】肺癌(肺腫瘍)の放射線治療後再発に対して集学的治療として温熱療法を併用した2例について報告する. 【対象】腫瘍の内訳は2例とも原発性肺癌で1例は扁平上皮癌もう1例は腺様嚢胞癌であった. 前者は54歳男性で病期はcT3N2MO, 治療方法は放射線化学療法に温熱療法を併用した. 後者は46歳男性で病期はcT4N3MO, 治療方法は化学療法温熱療法の2者を併用した. 温熱回数は23回と26回で, 両者とも放射線治療後再発に対して温熱療法を施行した. 【結果】温熱療法後の観察期間は9ヶ月と20ヶ月である. 治療効果は両者ともPRであったが, 現在, 共に生存加療中である. 温熱療法に追加放射線化学療法を併用した1例は, 治療部位からの再々発は認めていない. また, 温熱療法に化学療法のみを併用した1例は, 腫瘍による気道狭窄からくる呼吸困難感の改善を認めた. 【結論】肺癌(肺腫瘍)の放射線治療後再発に対して, 温熱療法併用の集学的治療は, 予後の延長及びQOL改善に寄与していると考える.
ISSN:0911-2529