口腔扁平苔癬の免疫組織化学的研究
「論文内容の要旨」扁平苔癬は皮膚および粘膜をおかす難治性の慢性炎症性疾患で, 日常の歯科臨床でもしばしば遭遇する重要な疾患の1つだが, その本態, 成因については不明な点が多い. 本症の病理組織学特徴は, 水症変性をはじめとする上皮基底部の変化と, 上皮直下の帯状細胞浸潤であり, その構成細胞はTリンパ球を主体とすることが指摘されているが, その病理的, 免疫学的意義を解明することは, 本症の発生機序を明らかにするうえで極めて重要である. そこで今回著者は, 口腔扁平苔癬局所における免疫グロブリン, 補体, フィブリノーゲンの出現状態と, モノクローナル抗体を用いた帯状細胞浸潤の解析および表皮...
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Published in | 神奈川歯学 Vol. 20; no. 3; pp. 413 - 414 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
神奈川歯科大学学会
30.12.1985
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ISSN | 0454-8302 |
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Summary: | 「論文内容の要旨」扁平苔癬は皮膚および粘膜をおかす難治性の慢性炎症性疾患で, 日常の歯科臨床でもしばしば遭遇する重要な疾患の1つだが, その本態, 成因については不明な点が多い. 本症の病理組織学特徴は, 水症変性をはじめとする上皮基底部の変化と, 上皮直下の帯状細胞浸潤であり, その構成細胞はTリンパ球を主体とすることが指摘されているが, その病理的, 免疫学的意義を解明することは, 本症の発生機序を明らかにするうえで極めて重要である. そこで今回著者は, 口腔扁平苔癬局所における免疫グロブリン, 補体, フィブリノーゲンの出現状態と, モノクローナル抗体を用いた帯状細胞浸潤の解析および表皮における免疫担当細胞としての機能が注目されているランゲルハンス細胞について免疫組織化学的検索を加え, 本症の成り立ちについて考察を試みた. 対象は口腔扁平苔癬15例で, 酵素抗体法と蛍光抗体法によりIgG, IgM, IgA, C3, フィブリノーゲンを, LeuシリーズとOKT 6各モノクロナール抗体によりそれぞれ帯状細胞浸潤とランゲルハンス細胞の検索を行い, 同時に通常の光顕と電顕的な観察も行った. |
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ISSN: | 0454-8302 |