歯科X線撮影における被曝線線量の評価に関する研究 - 口内撮影法について

「論文内容の要旨」 最近, 医療被曝は, X線撮影のフィルム枚数の激増に伴って社会問題として大きい関心がもたれている. 歯科診療においても, X線撮影は年々, 加速度的に増加の傾向にある. そこで今回, 歯科の口内撮影法における皮膚, 眼(水晶体), 甲状腺, 骨髄の被曝線量を測定した. そして, これらの測定結果から1978年の神奈川歯科大学附属病院に来院した患者統計をもとに, 白血病および甲状腺がん発生のリスク(危険度)について考察し, つぎの結果をえた. 1)口内撮影法における吸収線量を, 頭頸部のファントームを用いてTLD素子により測定した. この測定した吸収線量(DA)の値と, フィ...

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Published in神奈川歯学 Vol. 15; no. 3; pp. 501 - 503
Main Author 杉本康樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.12.1980
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Summary:「論文内容の要旨」 最近, 医療被曝は, X線撮影のフィルム枚数の激増に伴って社会問題として大きい関心がもたれている. 歯科診療においても, X線撮影は年々, 加速度的に増加の傾向にある. そこで今回, 歯科の口内撮影法における皮膚, 眼(水晶体), 甲状腺, 骨髄の被曝線量を測定した. そして, これらの測定結果から1978年の神奈川歯科大学附属病院に来院した患者統計をもとに, 白血病および甲状腺がん発生のリスク(危険度)について考察し, つぎの結果をえた. 1)口内撮影法における吸収線量を, 頭頸部のファントームを用いてTLD素子により測定した. この測定した吸収線量(DA)の値と, フィルム法で求めた黒化度(d)との間には, logDA=0.0244d4-0.2123-1-0.0038-3+2.5401なる関係式が成立した. 2)口内撮影法(全顎10枚法)における皮膚線量は300~600mRであった. 3)口内撮影法(全顎10枚法)における眼(水晶体)の吸収線量は15.2mradであった.
ISSN:0454-8302