2.口腔癌術後における重度の嚥下障害患者への摂食嚥下リハビリテーション

私達は口腔癌術後患者の嚥下リハビリテーションが足踏み状態に陥った4事例を経験した. 事例1は深呼吸を促し, 声をかけると嚥下のコツを掴んだ. 事例2はチューブを工夫し看護師の「入れて, 止めて, ごっくん」の声かけで嚥下のタイミングを体得. 事例3は誤嚥予防としてゼリーを様々に工夫した. 事例4はADL拡大からすすめた看護の実際であった. 嚥下リハビリテーションをすすめる「指導の鍵」は, 1)患者の緊張感の緩和, 表情と言動に「不一致」がない. 2)口唇閉鎖不全, 舌送り込み障害への道具や飲み方の工夫. 3)直接的訓練でも嚥下のタイミングを体得できるまでの声をかけ. 4)誤嚥予防のためのトロミ...

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Published in医療 Vol. 59; no. 6; p. 339
Main Authors 田畑千穂子, 竹ノ内恵美, 松田智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立医療学会 2005
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Summary:私達は口腔癌術後患者の嚥下リハビリテーションが足踏み状態に陥った4事例を経験した. 事例1は深呼吸を促し, 声をかけると嚥下のコツを掴んだ. 事例2はチューブを工夫し看護師の「入れて, 止めて, ごっくん」の声かけで嚥下のタイミングを体得. 事例3は誤嚥予防としてゼリーを様々に工夫した. 事例4はADL拡大からすすめた看護の実際であった. 嚥下リハビリテーションをすすめる「指導の鍵」は, 1)患者の緊張感の緩和, 表情と言動に「不一致」がない. 2)口唇閉鎖不全, 舌送り込み障害への道具や飲み方の工夫. 3)直接的訓練でも嚥下のタイミングを体得できるまでの声をかけ. 4)誤嚥予防のためのトロミ対策と新しい食生活習慣獲得への援助. 5)患者自身の持つ力を引き出す.
ISSN:0021-1699