Dystoniaのため開眼が困難となったGM1 gangliosidosis type 3の1例

GM1 gangliosidosisはライソゾーム酵素であるGM1 ganglioside β-galactosidase活性の低下により神経系をはじめとする諸臓器にGM1 gangliosideが蓄積する常染色体劣性の遺伝性疾患である. 発症年齢, 臨床症状および経過により, type 1(infanile type), type 2(juvenile type), type 3(adult type, chronictype)の3型に分類されているが, このうちtype3では臓器障害は神経系と骨格型にほぼ限られている1)2). 症例:34歳, 男性既往歴:6歳の時に扁桃腺を切除. 家族歴:...

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Published in医療 Vol. 55; no. 1; pp. 46 - 48
Main Authors 信国圭吾, 高田裕, 難波玲子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立医療学会 2001
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Summary:GM1 gangliosidosisはライソゾーム酵素であるGM1 ganglioside β-galactosidase活性の低下により神経系をはじめとする諸臓器にGM1 gangliosideが蓄積する常染色体劣性の遺伝性疾患である. 発症年齢, 臨床症状および経過により, type 1(infanile type), type 2(juvenile type), type 3(adult type, chronictype)の3型に分類されているが, このうちtype3では臓器障害は神経系と骨格型にほぼ限られている1)2). 症例:34歳, 男性既往歴:6歳の時に扁桃腺を切除. 家族歴:両親がいとこ結婚. 同胞(妹1人)は健常. その他, 特記すべきものなし. 現病歴:周産期に異常なく, その後の精神運動発達にも特に問題はなかった. しかし, 7歳ごろに構音障害が, 9歳ごろには歩行障害が出現した. その後の経過は緩徐進行性で, 次第に動作は緩慢になった. 15歳時には発語がほとんど不能になり, 書字で意思を伝えるようになった. 29歳ごろからは両眼がひとりでに閉じてしまうようになり, 時に開眼が困難となった. 30歳には歩行, 書字が不能になり, 33歳の時には車椅子の操作も不能となった. 1987年12月, 34歳の時に精査のために国立療養所南岡山病院へ入院となった.
ISSN:0021-1699