4.慢性及び急性拒絶反応に対する15-deokyspergualin(DSG)の有効性についての検討

当院泌尿器科においてフォローされている死体腎(CD40例)及び生体腎(LD25例)移植患者のうち, 1983, 10月から1997, 9月までにCD5例とLD3例(男6例, 女2例, 平均年齢36±12歳)に急性拒絶反応2例(同一患者)と慢性拒絶反応7例がおこり, 15-deokyspergualin(DSG), 3~5mg/kg/dayを7日間, 単独もしくはステロイドパルス療法と併用で投与した. 短期効果の点でみると, 1例の急性拒絶においては, 著明な血清Crの低下を認めたもののほかは, 不変もしくは若干の上昇を示した. また, 6例に骨髄抑制などの副作用が起こり, 輸血や G-CSF製...

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Published in医療 Vol. 52; no. 1; p. 55
Main Authors 犬塚周, 林幹男, 松屋福蔵, 中村貴生, 新藤和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立医療学会 1998
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ISSN0021-1699

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Summary:当院泌尿器科においてフォローされている死体腎(CD40例)及び生体腎(LD25例)移植患者のうち, 1983, 10月から1997, 9月までにCD5例とLD3例(男6例, 女2例, 平均年齢36±12歳)に急性拒絶反応2例(同一患者)と慢性拒絶反応7例がおこり, 15-deokyspergualin(DSG), 3~5mg/kg/dayを7日間, 単独もしくはステロイドパルス療法と併用で投与した. 短期効果の点でみると, 1例の急性拒絶においては, 著明な血清Crの低下を認めたもののほかは, 不変もしくは若干の上昇を示した. また, 6例に骨髄抑制などの副作用が起こり, 輸血や G-CSF製剤投与を必要とした. 以上より15-deokyspergualin(DSG)の腎移植後の慢性拒絶反応に対する臨床効果は, 短期的には評価できず, 今後長期効果を検討する必要があると考えられた.
ISSN:0021-1699